デジカメ時代の極軸調整方法 (カーチス・デジカメ法)

「カーチス・デジカメ法」は極軸望遠鏡を必要としない、デジカメのライブビュー機能と高速運転が可能な赤道儀で実現する、高精度極軸調整方法です。
Digital Photographic Polar Alignment (Curtis Method) DPPA (デッパ) (この方法はブログでお世話になってる匿名さんから ご伝授頂きました)
   


追記:20120704 

ツールでこのページの足跡を観ると、カーチスデジカメ法は難しい的なブログを目にします。
「北極星周辺の輝星位置が分からないと使えない」・・・的憶測?を持たれてる方がいらっしゃいます。
確かに、200mmで4分の星野を撮る場合、 追尾エラーを10秒角(eosD60の場合2.2ピクセル)許容するとして、極軸調整は0.2度の精度が必要です。しかし50mm標準レンズの場合、 同様に考えれば、0.8度の精度まで許容できる事になります。 北極星は極軸から0.7度ズレてるので、カーチスデジカメ法で、北極星を中心に合わせれば、極軸精度は0.7度となります。
・・・つまり、多くの場合、まして広角で星景を撮る場合なんて、北極星周辺の輝星位置を認識する必要は全くありません。 それと、数回、使えば、カンタ~ンって分かります。
HiroHero さんは独自に真北導入スケールを開発され、積極的にカーチスデジカメ法を利用されてます。
3本のネジで極軸望遠鏡の調整をされた事のある方なら、この方法の簡単さは分かると思います。

”カーチス・デジカメ法” 命名匿名さんのコメント

「カーチス・デジカメ法」…とても変な名称です。「デジカメ極望」など明快な名称も良いのですが、100年以上前の北極星野を撮影しながら極軸を合わせる「カーチス写真法」に敬意を表して、このような仮称を付けました。 今後は、世界中の天文ファンに普及すると思うので、国際的にも通用する名称にしたいです。竜爺さんをはじめ、このブログをご覧の方にご意見をお聞きしたいと思います。頭文字の略称という手もあると思います。 なお、この方法は本家のカーチス写真法とはかなり異なります。カーチスというのが人名なのかは知りません。また、同様な手法は世界を見渡せば多くの人が冷却CCDなどで、すでにやっておられることと思います。 ご参考までに、百数十年前に発明されたペッツバール(人名)というレンズがあります。望遠鏡が写真レンズに進化する過程で、像面を平坦にするため後方に2枚のレンズを追加した古典的な構成です。 ペッツバールは、天体望遠鏡を写真レンズ兼用の「フォトビジュアル」にするのに適しているので、最近は各メーカーが復活させています。 各社とも大元のペッツバールよりはるかに進化した別物のような設計ですが、タカハシとテレビューは敬意を表して「ペッツバール・タイプ」と称し、他のメーカーは「独自に開発した」としています。 私はタカハシやテレビューのスタンスが好きなので、名称に「カーチス」を取り入れたいと思っています。
   


方法 (追記:20120821)

① 出かける前にパソコンソフトで撮影する時間の真の極軸が北極星から見て、何時の方向か等の位置関係を確認します。↓の場合、9時方向。

② 現地では先ず北極星を見つけます。(筆者の玄関先↓)
100mmf4クラスのレンズで極軸周辺をカメラのモニター画面でみると、北極星しか写らないので直ぐ分かります。

③ 赤道儀の極軸を大体の感覚で合わせます。
Higlasi-1Aは35度の傾斜がありますから、日本では多くの場所で方位の設定だけでOKです。私は老眼なので、難しいのですが極軸調整穴に北極星を追い込む事ができれば完璧です。

④ STA_sw 長押でカーチスデジカメ法がスタートします。
カメラの設定はバルブモード、f:開放、ISO:最大感度 でOKです。

⑤ モニターに同心円が確認できますから、中心位置を記憶します。(マークを付けても良いのですが、慣れれば、覚えた方が速いです)
マウスを↑写真の上に乗せてください。DPPA時の同心円に写真が変わります。 DPPAによる極軸合わせは、↑の写真の[○]赤道儀の回転軸を[*]真の極軸に合わす作業です。

⑥ ライブビューで北極星をモニターしながら、Higlasi-1Aを固定している雲台を調整し、⑤位置と北極星を合わすか、もっと正確さを求めるなら、①の 真の極軸位置とに合わせます。100mmクラスのレンズが最適だと思います。

⑦ さらに精度を求めたい場合、200mmクラスのレンズに交換またはズームし、⑥の操作を繰り返します。慣れれば数回の操作で、0.2度以下に合わせられるようになります。
↓下は200mm iso6400 f/4 8s 0.1度近辺で極軸は合ってると思います。