製品化する?云々はさておき、まあ、設計屋をメーカーで20年、自営で10年以上やってるのですから、少なくても図面と、できれば試作品までは同等レベルまで
完成度を上げようと思い、試行錯誤の数ヶ月です。
単に自分が使うだけの道具なら、3号機で機能は満足してるのですが、モノ作り屋としての満足度はイマイチな思いです。
赤道儀を構成するパーツは大きく以下の通り大別できます。
①機構部
②制御部
③電源(回路とは別、主に電池)
④筐体
①~④を都合良く組み合わせ、目的とする赤道儀の機能を実現するわけですが、この[都合]が意外と難しい。往々にして”設計の都合”になりがちで、
使用者目線の意識を常に持つ事が大切です。
1.①②③④ 1ユニット
実現は安易ですが、筐体が大きく、重くなりモバイル性を重視するなら、得策とは思えません。
また、電池の多様性にも対応し辛くなります。
2.①④+②+③ 3ユニット
設計する側にとって都合のいい方法でしょう。
自作赤道儀として自分だけの道具とするなら問題はないですね。
3.①③+②③ 2ユニット
この組合せは3号機で採用したのですが②③が一つの箱に収められてるため③電池の交換を考えると使い勝手が悪く製品としては問題があります。
4.①②④+③ 2ユニット
本体に制御部を内蔵する事がベストな組み合わせと考えます。
電源はACアダプター12v、乾電池8本、Ni-MHバッテリー10本・・・と自由度が広がります。
これらを踏まえ4号機の設計に入りました。。
4号機
主なメカ部品、ウォームギヤとホイールは3号機と同様、モジュール1と呼ばれるカテゴリーの部品です。自分としてはこの形状によく入ったな~と思うものの・・・
気に入らない所がいっぱいです。。
・3号機より大きくなった事。
・雲台を取り付ける回転部がユニットの中心線上に無い事。
・blog でも書いた通り、イメージがTOASTさんのそれと似ている事。
3号機を使って、また、ネットの仲間の意見等を聞いて、"ポタ赤" に求められる仕様はでっかいレンズに対応する事より、軽さ、
小型化を重視した方が良いように思う。
5号機
世界最小のポタ赤を目標に5号機の図面を描いてみました。。4号からの差異は
・ウォームギヤとホイールは、モジュール0.8に変更した。
・板金によるフレーム構造からアルミ切削によるモノコップ構造とした。
・コストダウンを兼ね、モータードライバーは市販品を止め、CPU回路を含め、制御部を1枚の基板に作り込む構造とした。
・モータードライバーはサンケン社製 SLA7078MRを使用、マイクロステップは1/16とし、モーターは2相ユニポーラーとした。
今日現在(091216)5号機はパソコンの中の図面という仮想空間の絵にすぎません。試作部品の発注前にもう少し切削に対する勉強も必要です。
また、ホイールを小さくした事でピリオディックモーションの悪化は必至ですがその影響もダイキャストを起こす前に確認したいと考えております。来年、桜の頃までには第三者にテストをお願いできるレベルまで完成度を上げたいと考えております。。
切削部品の見積 作成:091228
東京中野にある切削加工屋さんにこの図面で見積をお願いしました。。
数量: 1 単価: \80,000(税別)
数量: 2 単価: \60,000(税別)
数量:10 単価: \21,000(税別)
数量:30 単価: \18,000(税別)
試作はともかく、ロット30台、筐体の下側だけで\18、000 では有志の皆様に3万円台でお分けする目標を達成できそうにありません。しかし、板金では魅力が半減します。
ダイキャストの型を起こし、ロット500~1000個とするなら可能性はあるかも知れませんが、現状、夢物語です。さてさて、もう少し、考えてみます。。。
6号機 作成:100203
正月、赤道儀5号機の側面図↑をボ~~と眺めながら気が付いた。。
こら~アカンな~って。。
一見、座りも良く、エエ感じと思ってたけど、雲台とカメラを付けたら、バランスが悪くなるだろう~と・・・。
取り付けねじに対するストレスも大きいし、三脚応力も無視できないかも知れない。
カメラを取り付けた状態では3号機の様に自立できる事は大切かもしれない。
で、板金で図面を書き直してみた。
あと、ポーラファインダーの取付と、プリント基板の展開が終わったら、板金を発注してみようと考えています。