試作6号機概要

コンセプト・仕様

① ”モバイル赤道儀(ポタ赤) ” の世界最小、最軽量を目指す。(目標:800g以下)
② 当地の極軸傾斜35度を意識した本体ユニットとする。
③ 電源(電池)以外全てを本体ユニットに内蔵する。
④ インターバルタイマー機能を内蔵する。
⑤ 最小ステップ角:0.5秒角
⑥ ピリオディックモーション:±25秒角以内 (eos20d 50mm撮影時のピクセル間)
⑦ 完全自動追尾方式
⑧ 恒星撮影モード、星景撮影モード、北半球駆動モード、南半球駆動モード 
⑨ 電源電圧 9.6v ~ 15v 単三ニッケル水素電池8~10本、単三アルカリ電池8~10本

メカ部

主なメカ部品、ウォームギヤとホイールは世界最小を目指す事もあり、モジュール08と呼ばれるカテゴリーの部品に変更した。


制御部

① 小型化のため、プリント基板を新設する事とした。(↑の写真はユニバーサル基板)
② 実装するモータードライバーICはサンケン製SLA7078MRを使用し、マイクロステップは1/16。 この基板はCPU付き2相ユニバーサルドライバーとして別途使用可能。
③ 現時点CPUはPIC16F648とする。
④ インターバルタイマー用レリーズスイッチとしてフォトモスリレーを採用した。   ↑写真では純正レリーズを改造し、通常レリーズとして使用できるようにコネクタで接続 →
⑤ インターバルタイマーの時限設定は10種。→写真コードSWで選択する。 時限は15秒、30秒、45秒、1分、2分、4分、8分、10分、20分、30分 とする。 
⑥ 恒星撮影モード、星景撮影モード、北半球駆動モード、南半球駆動モード、ポーラーファインダー調整モードは→写真のDIP_SWで行う。

ひとりごと

ぼちぼち、6号機の評価をやっております。
50mmのレンズではピリオディックモーションエラーの影響はほぼ無いの評価ができるのですが、 200mmでは30秒インターバルで撮影された写真の小さな星は、原寸表示で、さすがに揺れとして現れます。今(20100430)、この揺れ(Pエラー)をモーターの 回転速度を制御することで軽減できないかを考えております。少しでも軽減できれば、報告します。

 

6号機の問題点 作成:100607

① 減速ギヤを二カ所使用してるため、ピリオディックモーションエラーが二カ所で発生する。
問題はモーター側のエラーで、周期が104秒と短く、100mm超えのレンズでよく使う30秒バルブ撮影を行うと、原寸表示で星がばたつき、星が太ったり、流れたりする。。
エラーの主な原因はシャフトとウォームギヤのクリアランスによる偏芯と思われるが、これをメカ的に抑制する事は、色んな意味で難しい。

↑のグラフは20秒毎に、5200mm離れた定規を恒星モードで撮影し、計算値に対する位置に対する揺らぎをプロットした。     縦軸:Pエラー (秒角)  横軸:秒

右はPエラーの実写。
周期の短いPエラー±4ピクセルを確認できる。
この写真は200mmで撮影してるためピクセル間は6.622秒角(eos20d)、よって±26秒角となり↑の測定とほぼ同値。
本来、星は2ピクセル間で写るはずだが、同エラーの影響で、8ピクセルをまたぎ、結果的にボケとなる(星が太る)。

② 雲台と同軸のシャフトを支えているベアリングのクリアランスが想定以上に大きく、また、全体の剛性も今ひとつの様子で、200mm超えの重いレンズを使用した場合、へたってしまう。

② 有志の皆様に3万円台でご提供したいところですが、今の構造(材料)では難しい。

①の解決方法の一つはギヤ比を落とし、モーター側ギヤの回転速度を下げる事で対処できる。
②は軸受け間の距離を取るか、ベアリングを止め、焼結軸受けに変更すべきかもしれない。
③・・・難しい。
①②③を踏まえ、7号機を・・・。。
その前にこの夏は6号機で星景写真を量産したいと考えています。
・・・と書きながら、図面は形になってきた。。。

プレセパ星団・双子座 50mm f/2.8 30秒×12枚 ISO800 (6号機使用)

火星 200mm f5.6 iso800 30s×4 YIMGによる合成 20100513 20:07 (6号機使用)